PPV「ペイバック」でのエンツォ・アモーレ負傷について

先日開催されたPPV「ペイバック」の第1試合においてアクシデントにより負傷し、病院に搬送されたエンツォ・アモーレですが、その後の情報が幾つか出始めています。

負傷した状況について

エンツォ&キャス組は、次期タッグ王座に挑戦するチームを決定するタッグ・トーナメントの決勝戦として行われた第1試合、ボードビレインズと対戦していました。

エンツォとサイモン・ゴッチのマッチアップ中、ゴッチがエンツォを場外に投げ捨てようとした際、エンツォは3本あるリングロープの一番下、サードロープの下を野球のスライディングのような格好でくぐり抜けてから場外に転落する、というムーブを見せようとしていました。

しかしエンツォはスライディングの体勢になるのが遅れ、顔面をサードロープの1つ上(=セカンドロープ)にぶつけてしまい、この反動で側頭部をリングの端であるエプロン付近に強打。

おそらく頭部を強打した時点で気を失っていたのではないかと想像されますが、勢いがついた状態で(気絶したまま)リング下の場外にドサッと転落。落ち方がおかしかったことで、近くで目撃していたニュー・デイは悲鳴をあげていましたし、実況席のJBLも「彼は負傷した」とスタッフに伝えるかのように連呼していました。

場外に降りたゴッチがエンツォを起こして追撃しようとしますが、エンツォはピクリとも動かず倒れたまま。異変に気付いたレフェリーが制止し、ドクターと救護班に連絡。試合開始してそれほど時間が経過してない時点でストレッチャーが運び込まれたことで観客もようやく異変を察知し、会場が静まり返りました。

エンツォがストレッチャーに乗せられて退場する様子はカメラに映さず、画面は状況を伝える実況席のコールやJBLのみを映しており、やがて次の試合であるゼインvsオーエンズの振り返り映像へと切り替わり、以後エンツォが映ることはありませんでした。

試合はレフェリーの判断により無効試合となり、次期タッグ王座挑戦権は(ペイバックの時点では)決定しませんでした。

病院搬送以降の情報について

エンツォが病院に搬送されて以降、PPVの中では2回、アンブローズvsジェリコの試合前とメイン戦の試合前に実況のコールが速報としてエンツォの情報を伝えていました。1回目の報告では「現在病院で検査を受けている」「手足を動かすことは出来ており、病院スタッフと会話も出来ている」と伝えられ、心配していたJBLも安堵していました。

検査の結果、エンツォは「脳しんとう」と診断され、PPV終了後にはWWE側が「この日のうちに退院した」と発表しています。

退院したエンツォは「ペイバック」翌日のRAWが開催された会場にも姿を見せたそうです。番組に出演はしていませんが、バックステージに顔を見せていたとの報道もありました。

エンツォの今後について

脳しんとうはクセになるとも言われていますし、一歩間違えると死に至る危険な症状なのもあり、WWEは脳しんとうを起こした選手の復帰にはかなり慎重で、エンツォも復帰までに時間を要すると思われます。

今年現役を引退したダニエル・ブライアンも度重なる脳しんとうの発症により(本人は復帰に意欲的だったものの)最後までドクターの許可が下りず引退となりましたし、ディーバ王者をシャーロットと争っていた昨年末のペイジも試合中の脳しんとうにより約1ヶ月の欠場となり、タイトル戦線から後退せざるを得なくなってしまいました。

このことからエンツォも復帰までに少なくとも1ヶ月は試合に出られないことが予想され、タッグパートナーのビッグ・キャス(=コリン・キャサディ)のストーリーラインが変更されてしまう可能性もあります。

一つ、個人的に気になるのは、タッグユニットとしてビッグ・キャスと共にWWE昇格を果たしたエンツォですが、今回の負傷でエンツォ自身の処遇がどうなるかということ。

NXTでのエンツォの試合は数回見た程度なのであまり詳しくはないのですが、見た感じ「実力派」「技巧派」とは思えず、毒舌マイクアピールを武器としたキャラ先行型の印象が強く、WWEに昇格したのも彼等のユニークなキャラと、それがNXTで人気を獲得したことが大きいと感じています。

裏を返せば「レスリングはあまり上手とは思えない」という印象で、今回の「ペイバック」の一件は確かに不幸なアクシデントであることには違いないのですが、もしも団体側の誰かがあのアクシデントを「技量不足によるミス」と捉えてしまった場合、エンツォはもう少しNXTで経験を積ませたほうが良いという判断になるかもしれないし、もっと最悪のケース(解雇など)もあるかもしれません。あくまで「あれはアクシデントというよりミス」と捉える人がいた場合の話ですよ。

ひとまず重篤な症状ではなく、即日退院できたということでファンは安堵したことでしょう。今はエンツォが怪我を治し、番組に復帰する日が来ることを待つしかありません。レッスルマニア32以降、多くのタッグユニットが昇格や移籍してきてタッグ戦線が活性化されています。エンツォ&キャスもRAWで周囲を引っかき回してもらいたいですね。

スポンサーリンク

WWE HOLIC
SNSで当サイトの記事更新情報を配信しています。 プロフィール】【Facebook
ページ上部へ戻る