RAW ＃1200：16度の世界王者フレアー、遂に娘から捨てられる
（更新日：2016年6月4日）
会場：メリーランド州ボルティモア
ロリンズ、「いつもの調子で」復活
オープニングは前夜のPPVで復帰を果たしたロリンズが登場。会場は大歓声で迎え入れる。「待ってたのか！ 帰ってきてやったぜ！ 大歓声で迎えろ！」と吠えながら上機嫌でリングイン。脚の靭帯を断裂する重傷で、全治9ヶ月と診断されていたのに約半年で戻ってきた、と語る実況陣。「おかえり！」チャントが鳴り止まない観客を見て、さすがの大ヒールも目がウルウル。
200日ぶりの復帰だぜ。言いたいことは山ほどある。リングに戻った時、どんな気分になるかをずっと想像していた。事情を知らない奴らに説明しておく。俺は復活した。負けずして失った王座を必ず取り戻す。そのための布石が昨夜のPPVだ。
昨夜のPPVで乱入したロリンズが王者レインズにペディグリーを浴びせる映像がスクリーンに映る。観客は前夜に続き「ありがとうロリンズ！」の大合唱（それだけレインズは嫌われている）。
お前ら、そんなに俺が恋しかったのか？ と苦笑いするロリンズ。観客、「イエス！」チャントを始めちゃった。
面白いな、前とは反応が全然違うじゃねえか、と素直な感想を述べるロリンズ。俺はレインズを襲ってシールドを崩壊させたんだぜ。あの頃は俺が出る度にブーイングの嵐だったよな。この俺を裏切り者扱いしてたじゃねえか。WWE世界王者になった時は「史上最弱の王者」とも言われてた。俺が王座を失うことをお前らは心の底から願ってたよな。だが誰も俺を倒せなかった。権力者の陰に隠れた臆病者とも言われたな。俺は必死に努力してたんだぞ。
しかしある日、ヒザが壊れた。あまりに長い間団体を背負ってきたせいで限界に達して押しつぶされたんだ。そしたら大勢のファンからSNSでメッセージが来た。「早く良くなって」「寂しい」「待ってる」ってな。病室には花束も届けられた。大量のファンレターも届いた。手紙は1枚も読んでねえ。あんなのはゴミだ。全てゴミ箱に放り込んで燃やしてやったぜ（ここでようやく会場が我に返ってブーイングを始める）。
はっきり言っておく。お前らに応援される筋合いはねえ。お前らなど関係なく俺は王座を獲り、王座を守り続けた。今度返り咲く時も同じだ。おいおい、早速態度を変えてブーイングかよ。俺は全然構わねえぜ。
俺は1日2回の過酷なリハビリに耐えてきたんだ。全ては王座を奪還するため。この7ヶ月で積み重ねた努力はお前ら全員が一生かけても絶対に達成できない量だ。声援を受けようがブーイングを浴びようが、俺は王座を必ず奪い返す。誰の力も借りずに目的を達成してやるぜ。
ここでレインズ登場。マイクを置いてジャケットを脱ぎ、臨戦態勢で手招きしてレインズを挑発するロリンズ。しかしレインズがリングインすると予想通り場外に退避。
リング内のレインズと場外のロリンズが挑発し合ってるところでシェイン登場。ロリンズ、良かったらリングに戻ってくれ。大人同士、話し合おうじゃないか。警戒しつつリングに戻るロリンズ。
二人の間には深い溝があるようだな、とシェイン。シールド時代の裏切り。それからレッスルマニア31でのマネー権行使と王座獲得。そして負傷するまで王座を守り続けた。ロリンズ、お前の気持ちはよく分かる。負けずして失った王座を取り戻したいというのは当然だ。レインズも理解できるだろ。二人が闘うとすれば祭典のメイン戦に値するカードだ。
だがそんなには待てないな。次回PPVはマネー・イン・ザ・バンクだ。その夜レインズはWWE世界王座の防衛戦に臨む。相手はロリンズ、お前だ。
よっしゃ！ とガッツポーズのロリンズ。さすがだぜ、と喜びながらシェインと握手して退場。
マネー戦出場予選 ゼイン vs シェイマス
※ヘルーバ・キック。ゼインがマネー戦出場権を獲得。
昨年のマネー・イン・ザ・バンク争奪ラダーマッチを制したシェイマスが今年は予選敗退。試合後、我に返って怒りに震える。
シェイマス、早速八つ当たり
アポロ・クルーズにルネがインタビュー。ジェリコは昨夜のアサイラム戦で激闘を演じたので今夜は有利かもしれませんね、との問いに「画鋲まみれになってたな。今朝の目覚めは最悪だったはずだ。俺は今夜、人生最大の試合に臨む。新時代を担う者として…」
喋ってる最中、クルーズの背後からシェイマスが襲撃。執拗に攻撃しながらシェイマスが叫ぶ。新時代だと？ 笑わせんな。俺より強いと思ってんのか。新時代などとホザいてる野郎は俺が叩き潰してやる！
マネー戦出場予選 セザーロ vs ミズ
※ニュートラライザー。セザーロがマネー戦出場権を獲得。
前夜のPPVで4ウェイ戦を制して王座防衛したミズは試合前に余裕シャクシャクのアピールをしてたが、タイトルマッチ以外はとても弱い。
再会した旧友（上司）は冷たくなってた…
ロリンズにルネがインタビュー。ルナが話を始める前にロリンズが語り始める。マネー・イン・ザ・バンクは王座を獲るのにピッタリの大会だ。俺は2014年大会でマネー権を勝ち取り、その後にWWE世界王座を獲得した。今年はマネー権を持っていないが王座を勝ち取る自信はあるぜ。
ここで誰かを見つけたロリンズ、よお久しぶり、と言いながら近付く。近付いた相手はステファニー。ハグしようとしたロリンズを笑顔で制する。
会えて嬉しくないのか？ とロリンズ。さっきあんたの兄貴が王座戦を組んでくれたぜ。
あなたが復帰して本当に良かったわ、とステフ。でも前とは状況が変わってるの。私たちの関係も昔みたいにはいかない。とにかく、おかえりなさい。
ステフが差し出した手を握り、握手するロリンズ。去っていくステフを見つめながら渋い表情。
マネー戦出場予選 クルーズ vs ジェリコ
前夜のアサイラム戦で画鋲が刺さりまくったジェリコは、負傷箇所に大量の絆創膏を貼りまくって無表情で入場。
※コード・ブリーカー。ジェリコがマネー戦出場権を獲得。
シャーロット、父フレアーに無情の通告
シャーロットがフレアーとデイナを伴って登場。マイクで何かを喋りかけるシャーロット、しかしフレアーがマイクを優しく奪う。
俺は感無量だよ。お前が勝利の演説をする前に伝えておきたいことがある。お前は成功者だ。欲しいものは全て手に入れてきた。昨夜も一瞬危なかったがいつものように勝利した。いつの間にか助っ人を呼んでいたとはな。しかもそれがデイナだったとは驚きだ。素晴らしい作戦で見事に勝利を手にした。デイナはお前に憧れてこの業界に入ったんだ。お前は誇りだよ。おめでとう。
父からマイクを受け取るシャーロット。デイナを誇りに思うわ。最強スターへの道を迷わず選んだ。
シャーロットには感謝してるわ、とデイナ。「業界一卑劣なスター」と肩を並べられて嬉しい。
パパにも言いたいことがあるの、とシャーロット。子供の頃、感謝祭でもクリスマスでも誕生日でも、ママはいつも言ってた。「パパはいつも一緒よ」って。でも違う。パパはいつもテレビの中にいた。パパがいなかった理由を今なら理解できるわ。WWE女子王者になった今ならね。超一流の男であるパパの気持ちが分かる。それは私が超一流の女だから。
ああ、パパに言いたかったことをやっと言えるわ。パパ、私のリングから出て行ってちょうだい。
それまでの笑顔が消えるフレアー。「なぜだ？」と不思議そうな表情で娘に問う。
私がデビューしてからも十分目立ったでしょ。パパの年代のスターたちはみんな同じ。いつも脚光を浴びたがる。もうお情けは十分でしょ。私はずっと「フレアーの娘」と後ろ指を差され続けた。今はパパが「シャーロットの父親」なのよ。私はパパよりも絶対に有名になってみせる。絶対にね。
泣き出すフレアー。会場はブーイングの嵐。私にブーイングするの？ とシャーロット。あなた達ファンが悪いのよ。ファンのせいで私は自信を失った。16度の世界王者がいないとやっていけない、2度の殿堂者がいないとダメだと不安だった。パパが必要だった。でも今は違う。パパは業界で2番目に卑劣なスターよ。2番手に成り下がった人と付き合ってるヒマはない。私にはもうパパが必要ではないの。
ねえ、ファンが悲しんでるじゃないの。ネイチャーボーイが泣いてるのは哀れだって。今のパパの気持ちを私はずっと味わってきたのよ。パパは私を捨てたでしょ。今さら心が痛んだの？ 私は30年間ずっとツラかったのよ。悲しい話は終わりよ。出て行って。近づかないで。テレビで私を見なさい。私が30年間そうしてきたようにね。
涙を流しながらリングを去っていくフレアー。シャーロットは陽気に歌いながら父を見送る。
マネー戦出場予選 アンブローズ vs ジグラー
※ダーティー・ディーズ。アンブローズがマネー戦出場権を獲得。
マネー戦出場予選 スタイルズ vs オーエンズ
試合前に「ザ・クラブ」の仲間であるギャローズ＆アンダーソンとの共闘を解消（＝ユニット解体）すると告げたスタイルズ（この場面は日本未放送）。
※ポップアップ・パワーボム。オーエンズがマネー戦出場権を獲得。
