RAW #1173:シャーロットとペイジ、物議をかもす調印式
(更新日:2015年12月4日)
会場:サウスカロライナ州グリーンビル
破壊兄弟とワイアット・ファミリーの挑発合戦
冒頭、フランスで発生した同時多発テロの犠牲者と遺族への黙祷が捧げられる。
オープニングは黒装束の侍者が花道に現れ、彼らに見守られながら破壊兄弟の2人、アンダーテイカーとケインが登場。
我々は正真正銘、闇の戦士だ、とテイカー。ワイアット・ファミリーには制裁が下される。どんな人間も、そして生きる者も死者も、我々の魂を飲み込むことは出来ない。
地獄の業火をかすめ取ろうとする者は炎に包まれる、とケイン。次回PPVではワイアット・ファミリーを地獄の最下層に招待しよう。そこでもだえ苦しみ、永遠にその身を焼かれ続けるがいい。
ワイアットよ、邪悪な人間を気取るお前など大したことはない、とテイカー。我々の邪悪な心はあらゆる試練を乗り越えて凶暴化したのだ。お前が選んだ2人は生け贄となる。奴らの命運は尽きている。奴らは決して安らかに眠ることなどない。
続いてワイアット・ファミリーが登場。椅子に座ったワイアットが語る。テイカーよ、あんたは25年もの間WWEを支配してきた。闇の力を駆使して帝国を築いた。25年もの間、全ての者を恐怖で震え上がらせてきた。25年間というのは長すぎるな。新たな闇の戦士が誕生してもいい頃だ。あんたたちの闇の力は俺がいただいた。俺は恐怖を司る支配者にして審判を下す者。俺こそが究極の存在なのだ。
場内暗転し、照明が戻るとワイアットは高笑い。先ほどまでリングを囲んでいた侍者たちが白羊のマスクをかぶっている。ワイアットの指令により侍者がリングに侵入して破壊兄弟を襲撃するが、全員簡単に排除される。
テイカーがリング上から手招きして挑発し、ハーパーたち3人がリングに歩み寄るも、ワイアットが制止。俺たちの運命の日は次の日曜だ。
世界王座決定トーナメント準々決勝 ネヴィル vs オーエンズ
※ポップアップ・パワーボム。オーエンズは準決勝に進出。
トゥルース vs ブリーズ
※ビューティー・ショット。
世界王座決定トーナメント準々決勝 ジグラー vs アンブローズ
※ダーティ・ディーズ。アンブローズは準決勝に進出。
試合後、興奮したアンブローズがマイクで吠える。次回PPVで俺が王者になったらWWEをひっくり返してやるぜ。ルールなんて知るか。スーツもネクタイも必要ない。ゴチャゴチャ言う奴は叩きのめしてやる。PPVが終われば、俺たちを縛るものは何もなくなる。
ウーソズ&ライバック vs ニュー・デイ
※ニュー・デイに挑発されたライバックがレフェリーを突き飛ばす。
世界王座決定トーナメント準々決勝 レインズ vs セザーロ
※スピアー。レインズは準決勝に進出。
ダッドリー・ボーイズ vs アセンション
※3D。
世界王座決定トーナメント準々決勝 カリスト vs デル・リオ
※ダブル・ストンプ。デル・リオは準決勝に進出。
物議をかもすディーバ王座調印式
ペイジ、シャーロットの順で登場。進行役のマイケル・コールが質問。あなたたち2人はNXTの同期として出会い、やがて親友同士となりました。なぜ友情が壊れてしまったのでしょうか。
ペイジが先に返答。私たちにはそもそも友情なんてないわ。真の王者なら友情なんてものに振り回されてはいけない。それをシャーロットに教えてあげたのよ。
疲れる生き方をしてるわね、とシャーロット。いつも不機嫌で怒ってばかり。一体どうしたというのよ。以前はそんな女じゃなかったでしょ。NXTでキャリアをスタートさせた時、境遇が似てるあんたに出会った。言いたくはないけど、あんたに憧れてた。私はノースカロライナの田舎娘で、あんたはイカした英国人。
私たちが育った環境は普通じゃない。親は毎晩のようにテレビの中で我が身を犠牲にして闘ってた(ペイジとシャーロット、どちらも親がプロレスラー)。団体のことを家族同様に考えてた。環境が違えば、弟は生きていたかもしれない。目を潤ませるシャーロット。
(シャーロットの弟でプロレスラーのリード・フレアーは、全日本プロレス参戦から帰国した2013年3月にホテルで死亡しているのが発見された。死因は薬物の過剰摂取と報道されている。まだ25歳という若さだった)
弟が他界したとき、あんたは私を支えてくれた。泣き始めるシャーロット。私は弟のために頑張ってる。彼の夢を叶えてあげたい。だって家族だもの。
私がしたことを真に受けないでちょうだい、とペイジ。私は最初からあんたを利用しただけ。
利用したの? なら計画は失敗ね、とシャーロット。だって現王者は私だもの。あんたのやり方は間違ってる。一番大事なのは王座じゃない。困った時に助けてくれる人よ。PCBはディーバ部門を変化させることが出来た。でもあんたが勝手にぶち壊した。
言っておくけど、私がPCBを崩壊された理由は、私がこそが王者にふさわしいからよ、とペイジ。ふさわしいですって? と大声を出すシャーロットにたじろぐペイジ。ふさわしいだなんてバカなこと言わないで。王者というのは女の子たちにとって憧れの存在でなければいけない。私もいつかは王座を失う。でもそれは今度の日曜ではない。あんたみたいな女にディーバ王座は渡さない。
日曜の王座戦では誰も助けてくれないわよ、とペイジ毒づく。たとえばホースメンのリーダーだった父親とかね。リックはどこ? 姿を現して上着にエルボー落としなさいよ。あのパフォーマンスは最高よ、クソジジイ。
黙りなさい! と怒鳴るシャーロット。私はこれからも休むことなく闘い続ける。フレアー家の一員だから。父や弟がそうしてきたように、私もリングに立ち続ける。
何を言ってるの? とペイジ。あんたの弟は、ただの根性なしだったわよね。
テーブル越しにシャーロットがペイジに飛びかかり殴り付ける。怒りが収まらないシャーロット、場外でも暴行を続け、実況席にペイジを投げる。レフェリー陣が必死に止めるが、何度もペイジに襲いかかるシャーロット。なんとか逃げたペイジ、覚悟しな! とステージ上で叫ぶ。
亡くなった人物を侮辱するこのシーンは本国アメリカでも物議をかもし、シャーロットやリードの母親(リック・フレアーの前妻)がSNSにて、WWEのスタッフやHHHなど上層部に対して激しい不快感を表明している。これを受けてWWE側は声明を発表し、この演出はあくまで選手側からの希望を受けてのものだと釈明。弟に関する発言はシャーロット本人が提案したものだと主張している。
たとえシャーロットからの申し出によるストーリーラインというのが真実だとしても、WWEという団体は時折、故人に対する敬意の欠けたストーリーラインを組むことがある。アンダーテイカーのマネージャーを務めたポール・ベアラーが亡くなった直後にも、テイカーとCMパンクの抗争にベアラーの死を絡めて、パンクがテイカーを小馬鹿にするという演出があり、批判されたことがあった。
選手間の抗争に様々な色を付けたいのは分かるが、亡くなった人を冒涜する下衆な演出は誰も得をしないし、視聴者の評価を下げることにしかならない、というのが私の個人的な見解です。