PPV エボリューション 2018 試合結果【前編】
(更新日:2018年10月30日)
PPVテーマ曲
会場:アメリカ・ニューヨーク州ユニオンデイル、ナッソー・ベテランズ・メモリアル・コロシアム
「グラマゾン」も2児の母
女子選手のみで開催される史上初のPPV「エボリューション」。実況陣はマイケル・コールの他、最近RAW実況陣に正式加入したルネ・ヤング。そしてゲスト解説としてWWE殿堂者ベス・フェニックスが登場。
WWE殿堂者エッジと結婚し、現在は2児の母でもあるベスは、WWF時代の女子部門を牽引した元女子世界王者・ブル中野のTシャツを着て実況席に座る。
【タッグマッチ】トリッシュ・ストラタス&リタ vs ミッキー・ジェームズ&アリシア・フォックス
リングアナサウンーとしてリリアン・ガルシアが久々に登場。
殿堂入りした2013年、記念セレモニーのスピーチで妊娠を発表した殿堂者トリッシュは、出産・育児期間を経て今年1月の女子ロイヤルランブル戦以来となる復帰戦。パートナーとなるリタは現役時代と変わらぬエクストリームなコスチュームでこちらも復帰戦。
対するヒール組は、レジェンド2人と(特にトリッシュと)因縁を持つ、今も現役のミッキーがハロウィン仕様で登場。当初対戦するはずだったアレクサ・ブリスはセコンドにつく。
序盤、アリシアを手玉に取ったトリッシュはエプロンに立つミッキーに「出てきなさい」のジェスチャー。トリッシュのストーカーとして世に出てきた過去を持つミッキー、目をひんむいて対抗意識丸出し。
しかしトリッシュにコーナー最上段からのウラカン・ラナを喰らいヘロヘロになったミッキーは場外へ。アリシアとアレクサが介抱する一方、リング上ではトリッシュとリタが場外に向かってダッシュ。
トペを警戒したアレクサはすぐ退避。怒りでエプロンを叩きまくっていたアリシアは驚いて腰を抜かす。しかしトリッシュ&リタはフェイントだけでトペは飛ばず。
だまされて発狂したアリシアは、ミッキーたちと共に試合を放棄して逃亡の構え。ノロノロ歩いてるところをトリッシュたちに追いつかれ、殴られる。
再び発狂したアリシアのビッグブートはミッキーに誤爆。好機を逃さずコーナー最上段からムーンサルトを狙うリタ。しかしレフェリーの死角でアレクサが介入し、リタの足を引っ張って落とす。足を負傷したリタは動きが止まり、しばらく交代できず。
ようやく交代したトリッシュがミッキーに必殺ストラタスファクションを炸裂させる。フォールに行くトリッシュ。ここはカウント2でアリシアがカットする段取りだったらしく、しかしアリシアはカットが遅れ、それでもレフェリーはカウント3を叩かずアリシアを待ってあげる優しさを見せる。普段の試合ではあり得ない大チョンボに観客は一瞬静かになる。
試合をブチ壊したアリシアに対し、リタがツイスト・オブ・フェイトを喰らわせる。いい感じに並んでダウンしているミッキー&アリシアを見たリタはコーナー最上段からのムーンサルトで2人同時に圧殺。最後はトリッシュが料理。
※チックキック(ハイキック)。
往年の女子部門を支えた2人の勝利に観客は大喜び。しかし引退してから時間が経過してることもあり、2人とも動きが遅く、試合の流れも悪く、引退した選手(特に女子)の本格的な試合がいかに難しいかがよく分かる展開となった(いまだ現役のミッキーが相手の技を上手くサポートしていた)。
20人出場バトルロイヤル
優勝者にはRAWかSMACKDOWN、どちらかの女子王座への挑戦権を獲得できる。
出場者は以下の20名(登場順)。
◆ミシェル・マクール
◆ソーニャ・デビル
◆アランドラ・ブレイズ(WWE殿堂者)
◆カーメラ
◆ゼリーナ・ベガ
◆ケリー・ケリー
◆タミーナ
◆エンバー・ムーン
◆ラナ
◆マリア・ケネリス
◆マンディ・ローズ
◆モリー・ホリー
◆デイナ・ブルック
◆ナイア・ジャックス
◆アイボリー(WWE殿堂者)
◆アスカ
◆トリー・ウィルソン
◆ペイトン・ロイス
◆ビリー・ケイ
最後に入場したアイコニックス(ペイトン&ビリー)は入場花道でいつもの漫談。レジェンドたちを散々バカにした2人は、リングインして決めのポーズを揃えた直後にボコられる。
【退場】ビリー・ケイ
アイコニックスを排除して意気揚々のレジェンド組を現役組が取り囲む。レジェンド組が応戦して殴り合い開始。
モリーを排除したソーニャ&マンディの元アブソリューション、次の標的は「何年経っても可愛らしい」ケリー・ケリー。
元アブソリューション、次の標的は「何年経ってもセクシーな」トリー・ウィルソン。
しかしトリーも反撃。エプロンでソーニャとトリーが殴り合ってるところでマンディがジャンピング・ニーを浴びせる。
レジェンドたちを3人連続で排除し、ドヤ顔でアピールするソーニャ。しかしすぐ側のマンディはパートナーのソーニャを突き飛ばす。
味方に裏切られたソーニャは激怒。一方のマンディは苦笑。
殿堂者ブレイズを排除して笑顔のナイア。そこへ立ち向かうのは出産・育児休暇から復帰したマリア・ケネリス。しかし最後はナイアに担がれ、エプロンに着地したところで頭突きを喰らう。
こちらも復帰明けのタミーナは、同じく巨漢のナイアと「サバイバー・シリーズ」以来となるド迫力の睨み合い。他の選手たちも動きを止めて見つめ、ラナが思わず仲裁に入る。しかし大声で吠えたナイア&タミーナは突然吠え、ラナやアスカたちをボコボコに殴りまくる。
全員がダウンしたリング上で「邪魔者はいなくなった」とばかりに再び睨み合うナイアとタミーナ。しかし再びラナが仲裁に入り、なんだか楽しそうにアピール。
邪魔されたタミーナがラナを突き飛ばすと、怒ったラナはタミーナにビンタ。さらにナイアにはローキックの嵐。しかし全然効いておらず、ナイアとタミーナに同時の頭突きを喰らってラナ豪快に吹っ飛ぶ。
2チームに分かれての合体ブレーンバスター競争が終わり、全員がダウンしている中を1人場外で休んでいたカーメラがリングインし、「ダンスブレーク!」と雄叫び。
音楽が流れ始めてカーメラは踊り狂う。リングサイドで観戦していたパートナーのR・トゥルースも大喜び。
しかしアイボリーがしかめっ面をしながらカーメラを睨み付けて近づく。殺気を感じて怯えるカーメラ。しかしアイボリーも突然踊り出し、意気投合したカーメラとハイタッチ。
この隙を逃さずマンディがアイボリーを場外へ落とそうとする。しかしアイボリーはエプロンで踏ん張る。「そうはいかないわよ」とリング内から不敵に笑うマンディ。しかし背後からはアイボリーと意気投合したカーメラが忍び寄って救いの手。
【退場】ミシェル・マクール(エンバーが排除)
【退場】ナオミ(タミーナが排除)
【退場】カーメラ(エンバーが排除)
残り5人。奮闘していたWWE殿堂者アイボリーはタミーナにコーナー最上段からのボディープレスを決めるが、再びコーナー最上段に上ったところでアスカに襲撃され、最後はお尻の直撃を喰らう。
残った4人は、アスカ、エンバー、ナイア、タミーナ。
ナイアとタミーナがダウンしている中、リング中央で向かい合った因縁の2人、アスカとエンバー。アスカは余裕の笑み、一方のエンバーは気合い十分でアスカに殴りかかる。場内からは「NXT!」チャント発生。
アスカを排除し、歓喜の雄叫びをあげるエンバー。しかし背後ではタミーナが身構える。
振り向いたエンバーにタミーナがトラースキック。しかし予測していたエンバーは防御し、最後はタミーナに荒技エクリプスを浴びせる。
巨漢2人を相手にしていたエンバーに大歓声が集中。勢いに乗って突進するエンバー、しかしナイアがタックルで吹っ飛ばす。ナイアに判官びいきのブーイング、エンバーには「レッツゴー・エンバー!」チャントが発生。
最後はエプロンでもつれ合い、互いに踏ん張るナイアとエンバー。しかし、ここで突然リング内に戻ったゼリーナが2人を同時に落とそうとするも失敗。リング中央で「私も残ってるのよ!」と絶叫するゼリーナ。
アピールに熱中し過ぎたゼリーナ、背後に迫っていた巨漢ナイアに気づき、恐怖で固まる。顔面かきむしりからナイアを排除しようとするゼリーナ、しかし切り返したナイアはゼリーナを軽々とリフトアップし、場外に立っていたタミーナ向かって放り捨てる。タミーナ、気の毒な貰い事故。
タミーナとゼリーナを見下ろしながら不敵に笑うナイアを背後からエンバーが襲撃。何度もクローズラインを叩き込んで落とそうとするが、ナイアは崩れず。それでもあきらめないエンバーは突進。しかしカウンターでエンバーを宙に持ち上げたナイアはそのまま叩き落とす。
※ナイアがバトルロイヤル優勝、王座挑戦権を獲得。
試合後、涙を浮かべるナイアはリング上でインタビューを受ける。しばらく顔を覆って感激していたナイア、喋り始めようとしたところで「実力は健在!」チャントが観客席から広がり、感極まって顔をクシャクシャにしながら「ありがとう」と呟く。
「すごい選手ばかりだったから結果にはビックリ。家族もみんな応援に来てくれた。RAW女子王座を再び獲得するわ」
「ロンダ・ラウジーとニッキー・ベラ、どちらと闘いたいですか?」との問いに「どちらがチャンピオンでも長くは続かないよ」とナイアは宣戦布告。
【第2回メイ・ヤング・クラシック・トーナメント決勝】紫雷イオ vs トニー・ストーム
昨年の第1回大会で宝城カイリ(WWEではカイリ・セイン)が優勝した「メイ・ヤング・クラシック」トーナメントの第2回が今年も開催され、32人の選手が出場。日本からは紫雷イオの他に里村明衣子も出場した(準決勝で敗退)。この日は里村も来場し、リングサイドで決勝戦を観戦。
トニーは第1回大会も出場し、準決勝で宝城カイリに敗れている。連続出場となった第2回大会は準決勝で里村明衣子に勝利し、初の決勝進出。
対する紫雷イオは2018年6月に所属していた日本の女子プロレス団体「スターダム」を退団し、今回WWEに初出場。
試合序盤は関節技の攻防でジックリ攻め合った両者。イオの場外ムーンサルトやトニーのエプロンでのジャーマンなどスケールの大きな荒技が炸裂し始め、場内は大歓声。
実況陣から「ジーニアス・オブ・スカイ(空の天才)」と称されたイオは本領発揮。スワンダイブ式のスモールパッケージで場内を仰天させ、実況のルネも「ビューティフル!」と絶叫。
さらにイオはコーナーのトニーに串刺しニーを当ててからコーナー最上段に上り、アピールしてからアサイ・ムーンサルト。しかしトニーはヒザを立てて防御。
※ストロング・ゼロ(タイガードライバー)。
22歳のトニー・ストームが第2回メイ・ヤング・クラシック・トーナメントを制覇。歓喜のトニーはひとしきり喜んだ後、ダウンしていたイオの元へ行き抱擁。イオも勝者を称え、何度もハグを交わす。
ステファニー・マクマホンとトリプルHの夫妻がリングに上がり、優勝者トニーに花束と優勝トロフィーを贈呈した後、トニーとイオをハグして好勝負を称える。