RAW #1326:ロマン・レインズ、白血病と闘うため王座返上

(更新日:2018年10月31日)

※RAW#1326はPPV「エボリューション」の6日前に開催されましたが、「J SPORTS」での日本初回放送が1週間遅れているため、当サイトでのレビュー公開も「エボリューション」を先行させています。何卒ご了承ください。

今こそレインズに心からの祈りと声援を

オープニングはユニバーサル王者ロマン・レインズが登場。観客は恒例のブーイングで迎える。私服姿で登場したレインズはステージ上で立ち止まり、フーっと息を吐いて観客席をゆっくりと見渡す。

リングインして再び観客席を見渡したレインズはマイクを持つ。テーマ曲が止まり、観客席からは盛大なブーイング。おもわずレインズは苦笑。

「みんなに謝らなければならない」と感傷的な表情で切り出したレインズ。

「この数ヶ月、あるいは1年か、ロマン・レインズとして様々なことを発言してきた。毎週RAWに出場するとか、闘う王者であり続けるとか、俺は働き者だとか。それは全部ウソだ」

ユニバーサル王座のベルトをジッと見つめるレインズ。異変を察した観客はブーイングを控え始め、静まる。

「本当のことを話そう。俺の本名はジョーだ。11年前から白血病を患っていて、それが再発してしまった

「もう闘う王者としての役割は果たせなくなった。ユニバーサル王座は返上する」

呆然とする観客の姿が映る。一部からは「ノー!」チャントも発生。

「祈ってくれると嬉しいが、同情は要らない。哀れにも思わないでくれ。なぜなら俺には信念があるからだ」

「22歳の時、白血病だと診断された。その時はすぐに回復できたが、あの頃が人生で最もキツい時期だった。仕事もお金も住む場所もなかった。子供が生まれる直前だったのにアメフト界から見放された」

「そんな俺にチャンスをくれたのはWWEという名のチームだった。WWEユニバースが俺の夢を叶えてくれた。声援もブーイングも関係ない、反応してくれることが何よりも大切だった。みんなには心から感謝している」

観客から「ありがとうロマン!」チャントが発生(遅えよ)。何年振りかの温かい反応にレインズは感極まる。

「人生は公平ではない。時にはくせ玉を投げつけられたりもする。今の俺に必要なのは、家に帰って家族と一緒に病気の治療と向き合うことだ」

「言っとくが、これは引退スピーチじゃねえぞ。白血病をシバいたらここに戻ってくる」

「王座獲りにはもうこだわらないが、1つ目的がある。復帰して世界中に証明してやる。家族や友人、子供、妻に見せてやりたい。人生がくせ玉を投げようとも俺はバッターボックスに立ち何度でもフルスイングしてやる」

「この闘いに勝ち、俺は戻ってくる。またすぐみんなに会える。心から感謝してる。神のご加護を。みんなを愛している。信じろ」

鳴り響く「ありがとうロマン!」チャントにレインズは手を挙げて応じ、ユニバーサル王座の赤いベルトをそっとリング中央に起き、リングから下りる。

花道を歩いて退場するレインズ。ステージ上ではシールドの盟友、セス・ロリンズとディーン・アンブローズがレインズを迎える。涙を流すレインズをロリンズとアンブローズが抱き寄せる。ロリンズは号泣。

声援を送る観客の方を向いた3人は、泣きながら拳を合わせてシールド結束のポーズ。

実況陣はレインズの件を本当に知らなかったらしい

CM明けに実況陣がレインズの件についてコメント。

「これは娯楽を提供する番組ですが、現実を超えた世界に身を置いていると、WWEスターも生身の人間だということをつい忘れがちです。今夜それを痛感しました」とマイケル・コール。「彼の回復を心から祈ります」

「レインズは私の夫(アンブローズ)と6年間一緒に闘い、人生で最高の時を過ごしてきました」とルネ・ヤング。「ロマンは必ず復帰するでしょう。彼と家族のために心から祈ります」

いつもは悪態をついているコリー・グレイブスも涙を流し、声を震わせる。「ロマンは同僚以上の存在。家族同士の親しい付き合いがある。突然のことで驚いたが、彼は強い男だと俺は知ってる。彼は勝つ」

フィン・ベイラー vs ボビー・ラシュリー

フィン・ベイラー ○ (フォール) ● ボビー・ラシュリー
※丸め込み。

マッキンタイア、怯まず

控室で話すドルフ・ジグラーとドリュー・マッキンタイア。2人は先週、ブラウン・ストローマンとのユニットが決裂。ジグラーはストローマンに制裁されたが、そのストローマンをマッキンタイアが逆制裁している。

「先週は俺のためによくぞやってくれた」とジグラー。

「俺には展開が読めていた」とマッキンタイア。「ストローマンはあんたを襲撃した後、俺にも向かってきた。やるか、やられるかだ」

「今夜のタッグ王座戦に集中しよう」とジグラー。「俺たちは最高のタッグだ。俺はクラウン・ジュエルのトーナメント戦で不動の地位を築き上げる。俺こそが世界最高だ。しかしストローマンが…」

「心配するな、俺を信じろ」とマッキンタイア。「ストローマンの方が俺たちを頼ってたんだ。俺は他の奴らとは違う。ストローマンなど怖くない」

どこかへ行こうとするマッキンタイアを呼び止めるジグラー。「おい、どこへ行くんだ」

戻ってきたマッキンタイアは笑顔で呟く。「モンスター・ハンティングさ

選挙で当選したケインへのイヤミ込み

1週間前に流された破壊兄弟(ジ・アンダーテイカー&ケイン)の挑発映像を受け、DジャネレーションXの2人(トリプルH&ショーン・マイケルズ)がリングに登場。

「聞いた話だが、俺は恐怖心とやらのせいでスーツ姿になり役員室に隠れたことになってるぞ」とHHH。「そしてショーンも恐怖心とやらのせいで引退を撤回できずにいたとか」

「言っとくが、俺たちは並大抵のことでは恐怖など感じないぞ」と続けるHHH。「あの映像も昼休憩に自撮りカメラを持って、どこかの市役所のボイラー室で撮影したんだろ」

「俺たちは市長に立候補などしねえぞ」とマイケルズがボケ。

「このTシャツを見ろ」とマイケルズが来ているDXのシャツを指差すHHH。「俺たちはDXを22年間も存続させてきた。このXは、優れている、という意味がある。確かに俺たちは過去の存在かもしれん。しかし未来を意味するXもある(観客から「NXT!」チャント)」

「テイカーとケインよ、よく聞け。クラウン・ジュエルでのXに笑いはない。ノスタルジアもない。お前らをシバくだけだ」

マイケルズがいつもの決めゼリフを叫ぼうとしたところで会場にノイズ音が流れる。言葉を止めるマイケルズ。ここで鐘の音が鳴り響き、場内が暗転。

スクリーンに墓場の映像、そしてテイカー&ケインも映る。

「DXは再結成し、全滅に向かって船出を果たした」とテイカー。「俺たちは失意と絶望をもたらし、軽蔑の念を最大限に解き放つ」

「HHHは俺たちに近づき過ぎた。そしてマイケルズは引退したままでいるべきだった」とケイン。「時間は戻せず、死神からは逃げられん。破壊兄弟と闘えば生きて帰れぬ」

HHHとマイケルズの墓標を見下ろし、テイカーが宣戦布告。「俺たちとの初対決が人生最後の試合となる。この墓場にお前たちを葬り、ドス黒い魂を我らが永遠に支配する。決して安らかになど眠れない」

サウジアラビア開催の話はどうなるのだろう

ロマン・レインズのユニバーサル王座返上に伴い、次回PPV「クラウン・ジュエル」でトリプルスレット戦の予定だったタイトル戦が、ブラウン・ストローマンvsブロック・レスナーの王者決定戦となったことが発表される。

ヘイマン感動スピーチ、彼はレインズの件を事前に知ってたのだろうか

ポール・ヘイマンが1人でリングに登場。「今夜は心からの祈りを1人のチャンピオンに捧げる。ロマン・レインズのことだ」と神妙な表情で語り始める。

「帰宅したら子供たちに説明せねばなるまい。今夜諸君が目にしたのは、計り知れない勇気であり、自己犠牲の心なのだ。今夜レインズはキャリアにおける夢を自己犠牲の心で断念した」

「WWEを誇りに思うファンはユニバーサル王者を指差してこう言うだろう。「あれこそ最高峰」だとな。この業界における究極の存在、ナンバーワンだと」

「今夜8時5分まで我々には誇るべき存在、ナンバーワンのユニバーサル王者がいた。この先はどうする? レインズはタイトル戦の中止など望んでいない。ショーは続けねばならない」

「クラウン・ジュエルでレスナーはストローマンと激突する。勝者だけがこう言えるのだ。ロマン・レインズが積み重ねたレガシーは俺が引き継ぐ、と。もちろんそれはストローマンではない」

「自称・巨獣のストローマンは好きなだけ威張り散らせばいい。私の顧客レスナーは猛獣と自称などしない。彼は猛獣そのものなのだ。レスナーとストローマンでは所属するリーグもカテゴリーも階級も違う。種の段階から既に格の違う存在、それがブロック・レスナーだ!」

ここで話を遮るようにブラウン・ストローマンが登場。「俺がシバくとレスナーに伝えておけ。お前が発するべき言葉はその1つだけだ」

「ユニバーサル王座はRAWに戻ってくる。つまり毎週月曜に王者が姿を見せるということだ。レインズとは何度も闘った。奴が白血病を倒したら、真っ先に俺がタイトル戦で迎え撃つ。その前にレスナーをぶちのめしてやる!」

雄叫びをあげたストローマンは退場しようと後ろを振り返る。そこへダッシュしてきたドリュー・マッキンタイアがクレイモアを浴びせる。

ダウンして立てないストローマンを見下ろしたマッキンタイアは悠々と退場。

マッキンタイアの本格的なプッシュは始まるか

バックステージに戻ってきたマッキンタイアをジグラーが迎える。「誰にも出来なかったことをやったな! さすがだぜ!」

そこへチャーリー・カルーソが現れてインタビュー。「大胆な行動に出ましたが、ストローマンから報復される不安はありますか?」

「ない」とマッキンタイア返答。「並のスターなら不安ばかり膨らませる。俺はやるべきことをやるのみ。ベッドの下にオバケがいないか確認するガキではない。ストローマンは現実を知った。頭がハッキリすれば気付くだろう。俺たちが必要だったということにな。じゃあ俺たちは本業に専念するぜ。これからタッグ王座戦だ」

アライアス、上司を殴る

アライアスがステージ上でギター弾き語り。しかし寸前のところで臨時GMバロン・コービンが登場。「これから女子王座戦の調印式もある。番組を円滑に回すのが俺の仕事。悪いがステージから下がってくれ」

しかしアライアスは食い下がる。「ステファニーも俺と共に歩みたがっているんだ」

鼻で笑うコービン。「お前のボスは俺。そしてステファニーはお前のことが嫌いなんだ。俺はお前を解雇することもできる」

それでも引き下がらないアライアス、「新曲を作ってきた。今から演奏する。あんたは携帯の電源を切って黙っててくれ」

ギターを弾きながら歌い始めるアライアス。言われた通り黙って聴いているコービン、しかし歌詞がコービンを馬鹿にしている内容だったため、慌てて「音声を切れ!」と怒鳴る。

なおも演奏を続けようとするアライアス。しかしコービンの命令通り、音声が切られてしまう。ギターも鳴らなくなり、クチパク状態のアライアスに「言っただろう、お前の上司は俺だ。さっさとステージから下がれ」と命令するコービン。

観念して退場していくアライアス。コービンはニヤニヤしながら観客に語り始めるが、戻ってきたアライアスがコービンを背後からギターでブッ叩く。

(以上、「J SPORTS」の日本放送では全カット)

荒れない調印式、ロンダは耐える

PPV「エボリューション」で組まれたRAW女子王座戦の調印式がリング上で行われる。

先に登場した挑戦者ニッキー・ベラは妹ブリー・ベラの構える手を目がけて素人丸出しのシャドーボクシングを披露。

続いて王者ロンダ・ラウジーが登場。怖い表情でリングインしたロンダを見て場外へと退避するベラ姉妹。

退場しようとするベラ姉妹を見て「どこ行くの?」とロンダ。

「やる気になってるのかもしれないけど、今夜は調印式だからね」となだめるニッキー。「そもそも今日の会場は闘いにふさわしくない」

「今夜は争わないわよ」とロンダ。「契約書にサインしてほしいだけ。そうすれば日曜に叩きのめせるからね。それが調印式でしょ。リングに戻りなよ。指一本触れないと約束する。言ったことは守るよ。あんたらとは違うからね。もっとも、あんたらごときに痛めつけられたら、母は私を恥に思うよ(ロンダの母も柔道家)」

怯えながらもリングに戻ったベラ姉妹。「ブリー聞いた? ロンダは私たちに危害を加えないですって」

「ところで、お母さんの話をしてたけど」と続けるニッキー。「オリンピックで金メダルを獲るってお母さんと約束したんでしょ。お母さんと同様に世界選手権で優勝するとも約束したんでしょ。無敗のままUFCを引退するとも約束したんでしょ。どれも守れてないじゃない。つまり、お母さんはあんたのことを既に恥だと思ってるのよ」

図星をつかれて表情が曇り始めるロンダ。

「それにね、考えてもみなさいよ」と続けるニッキー。「あんたが言うところのディーバごときに負けてしまったら、お母さんはどう思うかな?」

怒りの表情を見せてマイクを机にドンと置き、ベラ姉妹に近づくロンダ。「約束したわよね」と笑顔のニッキー。ロンダは無言でペンを差し出す。

ペンを受け取って契約書にサインするニッキー。ペンを置いた直後、視線を外していたロンダの顔に強烈なビンタを1発

左の頬を真っ赤に晴らし、怒りの表情でニッキーを睨むロンダ。しかしヘラヘラと笑ってるニッキーを見て自分も笑い、契約書にサイン。

ペンを置き、マイクを取ったロンダは笑顔から一転、再び憤怒の表情に。「日曜日、あんたを終わらせる。約束は必ず守るよ」

盟友レインズに捧げる

タッグ戦を控えた挑戦者チーム、セス・ロリンズ&ディーン・アンブローズにバックステージでインタビュー。

「今の気持ちを言葉にして頂けますか」との質問に「言葉じゃ表現できない」とアンブローズ。「この6年間、3人で様々な困難をくぐり抜けてきた。良い時も悪い時も経験した。何をすべきか分からず、言葉も出ない時は、自分にできることを続けるしかない。だから今夜もいつもと同じ。勝つのみ」

「言葉では語れないが気持ちは入っている」とロリンズ。「闘志に変えてジグラーとマッキンタイアを倒し、タッグ王者になってやる。ロマン、お前のためだ。愛してる。信じろ」

かつてのトップ2人がエンジンをかける

PPV「エボリューション」で復帰し、タッグ戦に出場するWWE殿堂者の2人、トリッシュ・ストラタスとリタにインタビュー。

「対戦相手のミッキー・ジェームズとアレクサ・ブリスは先輩であるあなた達を甘く見ているようですが」との質問に、「それだけじゃないわ、彼女達は言い訳ばかりしている」とトリッシュは苦言。

「あっちはフザけてるけど、こっちは最初から闘志満々よ」とリタ。

リタが意気込みを語っているところでアリシア・フォックスが登場。「日曜日、アレクサとミッキーがあんた達に恥をかかせるわよ。ボコボコにして箱詰めにしちゃうんだから!」

「面白いことを言うパシリね、じゃあアレクサたちに伝言をお願いしようかしら」とリタが話し始めた直後、ミッキーが背後から襲撃。アリシアもトリッシュに襲いかかる。バックステージの器具に激突してダウンした殿堂者2人はスタッフに引き離されて去って行く。

興奮したアリシアとミッキー、「これがうちらのやり方だ! うちらは現役!」と吠えたところで殿堂者2人が戻ってきて殴られる。

アリシアとミッキーを柱に激突させ報復した殿堂者コンビ。ダウンする2人にトリッシュが言い放つ。「これがアティテュード流だよ」

【RAWタッグ王座戦】マッキンタイア&ジグラー vs ロリンズ&アンブローズ

終盤、ジグラーのジグザグを自力でクリアしたロリンズ。追撃のためロリンズを立たせ、合体攻撃を狙うマッキンタイア。

ここでブラウン・ストローマンが登場。リング上ではロリンズがレフェリーと交錯してしまい、レフェリーは失神。

無法地帯となったリングに向かってゆっくりと歩くストローマンはマッキンタイアと乱闘を開始。場外から観客席と乱闘を繰り広げた両者はバックステージへと消えて行く。ダウンしていたジグラーはパートナーが消えてしまったことに気付く。

セス・ロリンズ ○ (フォール) ● ドルフ・ジグラー
※ストンプ。シールドが新王者に。

ベルトを手渡されたロリンズとアンブローズは熱くハグをかわす。IC王座と合わせて2冠王になったロリンズは2つのベルトを掲げて観客席に向かって吠え、アンブローズに向かって何やら叫びながら再びハグ。

しかし表情を変えたアンブローズはベルトを放り捨て、突如ロリンズの腹部を蹴り上げてからダーティ・ディーズ。「何事だ!」「今夜だけはやめてくれ!」と叫ぶ実況のマイケル・コール。

顔をしかめて、頭を抱えたアンブローズは「何だと!」とロリンズに怒鳴る。拳でリングを何度も殴り興奮しているアンブローズ。ロリンズはダウンしたまま、アンブローズに「いいんだ」と語りかける。

しかし興奮が収まらないアンブローズはロリンズに殴る蹴るの暴行を続けながら「言っただろうが」「これでも笑ってられるのか」「もう一度言ってみろ!」と罵声の嵐。「やめろ」とロリンズは弱々しく返すことしかできない。

「言葉に気を付けろ!」「口先野郎が!」と場外でも罵声を浴びせながら暴行をやめないアンブローズ。最後は場外に敷かれたマットを剥がし、「お前のせいだ!」「これが望みだろ!」と怒鳴ってから床へのダーティ・ディーズ。

シールドの戦闘服を脱いだアンブローズは、冷めた顔をした観客の罵声を次々と浴びながら、観客席の階段を独りで上っていく。

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